3月22日(金)、「NPO法人のための決算書作成講座」を開催しました。
講師は、NPO法人の税務を多数担当している、税理士の田中武司先生です。
講座の中で、田中先生からは、
「会計の日常業務=決算書作成の準備」というお話がありました。
会計の日常業務を正確にしていれば、決算書も正確に作成することができるということですね。
講座は、主に以下のような内容でした。
決算書を作成する目的については、
主には、社員総会で活動計算書の決議を諮るため、所轄庁に提出するため、
事務所に備え置くため、貸借対照表の公告のためです。
ここで「決算書はいつまでに完成していなければならないのか」ということについて、
事業年度終了後の流れに沿って説明がありました。
NPO法人は、事業年度終了した後、3カ月以内に事業報告書とともに決算書を提出します。
例えば3月31日に事業年度が終わる場合、6月30日までに所轄庁に提出することになりますが、
決算書の作成に3カ月間の時間をかけることができるかというと、そうではないのです。
ここで注意しなければならないことは、所轄庁に提出する書類は、
社員総会で決議がされていなければなりません。
社員総会で決議をするためには、総会開催通知を送付する際にすでに決算書の添付が必要となります。
このことは、講座の中で「特定非営利活動促進法」の第3節をもとに、詳しい解説がありました。
そして、総会通知に添付する決算書は、理事会で承認を得、そして、監査が済んでいなければなりません。
このようなことから、総会前の理事会開催日までに、決算書を作成している必要があるということがわかりました。
また、収益事業を行う場合、2カ月以内に決算書を税務署に提出しなければならず、
収益事業を行わない場合には、市町村担当課と県税事務所に法人住民税の均等割免除申請ができますが、それは4月中に申請しなければなりません。
※税務署や市町村税務課及び県税事務所への決算書類の提出が間に合わないようなときは、
事前にその旨、相談しておきましょう。
決算日にやるべきことに一つに、現金実査があります。
金種表と出納帳残高を合わせるのですが、
これは責任の分散のためにも2名体制でチェックをすることがポイントです。
また、決算書作成に向けての準備として、
未収金や未払金、前受金、前払金などの整理があります。
年度をまたいで入金される助成金についての説明もありました。
未収金、未払金については、相手先ごとに内訳をまとめて把握しておくことがポイントです。
預り金については、雇用しているスタッフの税金や社会保険料等にかかわることが多いため、
正確な金額かどうか、注意が必要です。
貸借対照表の構造や注記についても学びました。
貸借対照表をみることで、資金の調達とその運用について読み取れます。
決算書作成は、寄付者への説明責任を果たすためにも、
助成金や補助金の申請の際にもとても重要なものです。
しかも短期間で作成する必要があります。
そのためには、やはり、
日頃から会計の日常業務を正確にしていることがとても重要であることが、
今回、田中先生のお話しから、よくわかりました。
日常の会計業務については、新年度6月6日(木)に、
「NPO・市民活動団体のための会計初級講座」を開催しますので、
是非、こちらで日々の会計についての基本的なことを学んでいただければ幸いです。
また、4月23日(火)及び5月14日(火)に「NPOのための会計税務相談」を開催します。
決算書作成にご不安がある場合など、1日3団体まで、税理士の先生に個別相談ができますので、
こちらにお申込みをご検討ください。
お問い合わせ、お申込み、お待ちしております♪