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集約する技術を学ぼう

みやぎNPOプラザにかかわるようになって多くの事柄を学びました。

とりわけプラザが提案する各種講座の中には、複数の参加者が意見を出し合い、一定の方向に集約していくノウハウが幾つも仕込まれています。場のスタイルとしては「ワークショップ」「ファシリテーション」などと呼ぶものがあります。まとめ役の役割としては「コーディネーター」「ファシリテーター」と読んだりするでしょうか。

現在、参加者を募集している「会議が変わる!ファシリテーション・グラフィックを学ぼう!」は「ファシリテーション」の最新情報を学んでもらうための企画です。3月13日午後1時半からNPO法人日本ファシリテーション協会フェローの徳田太郎さんを講師にお迎えします。ぜひご参加ください。

 NPOのフィールドは、もともと多様な意見を持つ市民が、共通のテーマを意識しながら問題の解決に向かうプロセスです。異なる主張をぶつけ合う場ならともかく、一定の目的に向かって多様な人々が進むには、やはり「集約」に向かう意識と、何らかのテクニックが必要です。

 企業には、言うまでもなく、業務推進のためのルールが複雑に存在します。企業の業務習慣を離れ、非営利の市民セクターで動くようになって最初に感じたのは、名刺も肩書もないつながりの中で、役割を果たし、目的を達成することがいかに難しいかということでした。非営利の分野で活動する人たちなら、きっと同じような体験を経ているはずです。

 蛇足ですが、今、非営利分野での活動を期待されている「団塊の世代」が若いころは、多様な意見を出し合い、まとめていくような技術そのものが、あまりありませんでした。個人的に言えば、KJ法や梅棹忠夫さんの名著「知的生産の技術」を個人ユースするぐらいでした。

 先日NHKで放映された「ETV特集」で、ジャーナリストの立花隆さんが広島と長崎の被爆体験を若い世代につなごうとする様子を見ました。番組の中で、若者たちがテーブルに分かれて意見を出し合い、まとめていく様子が描かれていました。今では、ごく普通の光景といっていいでしょう。頼もしいものです。

(館長・K)