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「団塊の世代」のための導線

  「団塊の世代」を市民活動に引き込むことは、NPO法ができる以前、「団塊の世代」がまだ若々しかったころからのNPO側の目標でした。

  「団塊の世代」がいつまでも仕事上の役割を担っていると、若い人の行く手を阻む結果となります。「団塊の世代」にまつわるすべてがネガティブにとらえられるわけではないのですが、「団塊の世代」ぐらい人口構成上、抜きん出ていると、単なる一般論では済まなくなります。市民活動という新しい分野が定着すれば、「団塊の世代」の力の発揮どころがいくらでも発見できるはずです。心からそう思ったものです。

 1990年代の終わりごろ、宮城県の働き掛けを受けてみやぎNPOプラザの実現にかかわりました。当時すでに「シニアのための市民ネットワーク仙台」という、シニア世代が軸となる市民活動に参加していました。「団塊の世代」を「高齢社会の予備軍」と考える立場からすると、みやぎNPOプラザの運営を通じて、「団塊の世代」が市民活動に参加する筋道が多様に演出されるはずでした。

 と書いている自分も、実は場合によって「団塊の世代」の隅っこに入れられる世代です。実際に「高齢者」と呼ばれる年齢(年齢統計上は65歳以上)が近づくにつれて、市民活動の分野と「団塊の世代」の距離を強く感じます。忘年会シーズンでもあるため、同世代との飲み会なども多いわけですが、市民活動が話題になることはまずありません。彼らの視野にほとんど入っていないのを感じます。

 2014年も残すところ10日余り。「団塊の世代」に意識してもらえるような「みやぎNPOプラザ」への導線をあれこれ考えています。難問ですが、解決できない問題はありません。 

【団塊の世代とは】第一次ベビーブームに生まれた世代。具体的には1947年から1949年の間に生まれた人々。作家の堺屋太一が昭和51年に発表した小説「団塊の世代」で知られるようになった。
(館長K)