有給スタッフは4人/ハワイのNPO支援(2)
HANO(ハノ Hawaii Alliance Of Nonprofit Organizations)の事業規模は年間収入で約5000万円です。
会費を払って参加している非営利団体は199。ハワイ全土のNPO支援を目的としていますが、地勢的な理由でどうしてもホノルルのあるオアフ島が中心の活動になっています。
政府・行政や企業等とNPOの間に位置して多様なNPO支援に取り組んでいます。そのためにHANOのようなNPOを「中間支援組織」と呼ぶことがあります。宮城県で言えば、宮城県の指定管理団体として「みやぎNPOプラザ」を運営しているNPO法人「杜の伝言板ゆるる」のようなものです。
みやぎNPOプラザにかかわっている1人として驚いたのは、これだけのNPO支援に取り組んでいる中間支援組織の有給スタッフが4人しかいないことでした。組織の運営体制の概略は以下の通りです。
●理事会
理事長、副理事長、副理事長、会計、監事ら理事17人
●常勤スタッフ 4人
●ボランティア 1人
●コンサルタント 11人
この日の取材には、常勤スタッフのうち、代表でCEO(最高経営責任者)のリサ・マルヤマさんと公共政策政策担当のニッキ・ラブさんが応じてくれました。
ラブさんの話。
「連邦政府や州、郡、市の公共政策が非営利団体のためになるような環境づくりを目指しています。特に州や市の政策について関心を持ち、情報を集めています。何か問題があれば非営利団体に伝え、対応策を考えるのが仕事です」
ラブさんによると、公共政策担当のスタッフの最大の仕事は税金面で非営利組織の不利にならないようにすることだそうです。「非営利組織の場合、基本的に税金面で優遇されていますが、ときどき政府が規制を強め、課税を強化しようとするので、非営利組織にかかわる政策全般に注意を払う必要があります」
公共政策に問題があるときには、非営利団体の声を集め、非営利組織からの政策提言としてまとめていきます。非営利団体の存在理由の一つとされる「Advocacy(アドボカシー)」の領域です。
HANOの有給スタッフが4人しかいないのは、HANOのNPO支援には施設や設備を提供するサービスがなく、さまざまな形での情報提供や講座、コンサルティングが中心になっているからです。
ちなみにCEOは理事会の直下にあって、経営全体に責任を持つ人です。
写真はHANO公共政策担当のニッキ・ラブさん。
(館長K)